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pygmaliondays

夢を見ない人間に未来はない。企業という言葉は創造と同義である。

【まとめ】EC企業の「箱」勝手に選手権【ROCKSBOX, Sparklebox, Birchbox, Good Eggs, Freshly, Makerskit, air Closet, Laxus 】

かねてより一度書いておきたいなと思っていたもの。

 

そもそも、洗剤だとかコメだとか、そういった生活必需品を除いては、

人が買い物するのはただ「物」を買っているんじゃなく、

それらを購入することによって得られる「体験」や「気持ち」、そして最近はその体験や気持ちをSNSなどで「共有(し、賞賛される)」ために買っていると思っている。

 

ECが登場したことで、買い物はより便利になったけれど、

こういう「気持ちがアガる」部分をはしょってしまうと、

同じ商品でも、人は買わないと思っている。

他の「アガる」物にお金を使われてしまうだろう。 

 

その点において、EC事業者は「箱」に重点を置くべきだと思っている。

理由は二つ。まず一つ目は、そこがEC事業者とユーザーの唯一の「リアルな」接触の瞬間だから。

 

店舗型だと、まず足を踏み入れるだけで気持ちの上がる空間で、

教育されたスタッフ(たまに鬱陶しい店があるけども)があれこれとアドバイスをくれ、

気に入った物をその場で試すことができる。

そして丁寧に、綺麗な箱や袋へ梱包してくれ、最後はありがとうございましたと外まで見送ってくれる。

そうして、家に帰って封を開ければ、その時の高揚感が少し戻ってくれる。

 

この中で唯一EC事業者でも提供できる、アガる瞬間。それが「箱」だ。

(ちなみにサイトが綺麗なことはテナントが綺麗なことと近いけれど、インパクトでいうと明らかにイコールではない。)

 

二つ目は、箱にこだわることで、ユーザーが広告塔になってくれること。 

若者と話すと、旅の計画をパンフレットやガイドブックだけではなく

InstagramPinterestなどを見て立てるという人が登場しているとわかる。

それくらい、「フォトジェニック」かどうかということが今の若者の行動や高評価の理由になっている。

なので箱がフォトジェニックであれば、購入したユーザーは商品だけでなく、あなたの会社のロゴがばっちり入った箱を一緒に、美しく撮影して、投稿してくれる。いいねがつき、多くの人があなたの会社をいけてるサービスとして認知する。

これはスタートアップにとっては非常にありがたいことだ。

 

そんなわけで、いくつかピックアップしたEC事業者の箱について

小生が独断と偏見でレビューする。(他にも意見あれば教えてくださいませ)

 

 

【ファッション、アクセサリー】ROCKSBOX / San Francisco, California (US)

アクセサリーを月額$19で3点レンタルできるサービス。返却することで次のアクセサリーをレンタルできる。新進気鋭デザイナーたちの1個$30~$200程度するアクセサリーが借りられるので人気が高く、2016年5月には $8.7M 調達した企業。

 

 

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(各項目5点満点、合計20点)

綺麗・清潔さ: 5

世界観のマッチ度: 5

デザイン性: 5

アガる度: 5

合計点:20

 

感想:いきなりの高得点。アメリカのみの展開なのもありまだ小生は試せていないが、友人の話やInstagramの一般ユーザーの投稿を見ると、箱も含めて写していることが多く、非常に綺麗な状態で届いているのが確認できる。またどんなアクセサリーとも相性が良さそうなシンプルながら上品さ漂うカラーの箱は世界観にマッチしているし(中の保護用の紙も綺麗な色だった)、リボンを解いて開封するデザインはギフト感があり女性の気持ちを上げる。金曜の夜に届いていたら、ちょっとしたご褒美感を味わえそう。

 

ちなみに去年くらいまでだと、カラーは白地×ピンクリボンで今よりも若々しく軽快な感じだった。(この時も非常に可愛らしいと評判だった)

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おそらくターゲット層がやや上にシフトしたのだと思われる。

ボリュームのある層が当初の想定より上だったのか、または、ファンが一緒に年を取ったので、こうしたのかな。

起業家本人のアンテナを大事にできるので、後者が理由だと今後も手堅いだろうなと思う(CEOはマッキンゼー出身の女性)

 

 

【ファッション、アクセサリー】Sparkle Box /  東京 (日本)

こちらは日本版ROCKSBOX。月額2,500円で3点というところも非常に意識してそう。

 

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(各項目5点満点、合計20点)

綺麗・清潔さ: 5

世界観のマッチ度: 3

デザイン性: 4

アガる度: 4

合計点:16

 

感想:利用したことがあるけど、箱は破損や汚れなく、綺麗。落ち着いたレッドがいい感じ(でも中の保護用の青い紙はあんまりマッチしていないと思う)。この箱への不満としては、開ける瞬間と開けた時が微妙なこと。うまく言えないが、閉じてる状態が一番なのだ…個人的には、気持ちを上げるには開ける瞬間の感覚(上のリボンや、あとはちょっと高級な箱の、こすれあう感じとか)や、内装にももうちょっとこだわって欲しいかも。世界観のマッチ度については、アクセとは合っているんだけど、サイトがあまりにもダサいので箱とのバランスが取れていない。箱が良すぎて点数が下がったという悲しい結果。

サイトはこれから改善すると思うが、今のHoneysかしまむらかスリーコインズくらいしか届けてくれそうにない絶妙なダサさのサイトに「高価なアクセサリーが〜」と書いてあるのは、中国や韓国系ECの怪しさに通じる匂いを放っている。いつか、このデザインが黒歴史になると信じている(信じていいよね?)

 

 

【コスメティクス】BIRCHBOX / New York (US)

Birchboxは、高級ブランド化粧品のサンプルを詰めた箱を毎月10ドルで自宅に配達する、定期購入型ECサイトである。

特長は化粧品のエキスパートによって製作されたオンラインコンテンツが充実していることで、Youtubeのチャンネル登録者はBirchbox本体のアカウントだけで78,379人いる。

 

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(各項目5点満点、合計20点)

綺麗・清潔さ: 5

世界観のマッチ度: 5

デザイン性: 5

アガる度: 5

合計点:20

 

感想:残念ながらこちらも自身の使用経験はないが、instagramなどの一般ユーザー投稿を見るに破損などもなく非常に綺麗な状態で届いている。コスメサンプルと共に箱を撮影していることも多く、デザインの人気も高い。また、毎月新しいコスメが届くというコンセプトにふさわしく、箱のデザインも毎月変わるこだわりようだ。たった$10で、毎月かわいい贈り物が届く。これは非常に楽しみとなるだろうなと思う。

 

 

【食材、食品】Good Eggs / San Francisco, California (US)

地産食材・オーガニック食材を自宅まで配送してくれるECサイト

以前書いた通り、今月初めに資金調達も実施。

pygmaliondays.hatenablog.com

 

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(各項目5点満点、合計20点)

綺麗・清潔さ: 4

世界観のマッチ度: 5

デザイン性: 3

アガる度: 3

合計点:15

 

感想:こちらもまだ試せていないサービスだが、一般ユーザーのあげている写真では汚れも破損もなく綺麗に届いている。箱自体は、かなり白地の大きなロゴが入っているのみのシンプルなデザイン。なのでInstagramにあげているユーザーは少ない。ただ、ここのサイトは地産の食材はもちろん、普通のお菓子であっても自社で撮影してサイトに掲載しているほど世界観の統一に徹底的。なので、この一見シンプルな箱は、やりすぎていない、オーガニック感とおしゃれ感の両立という、サイトが作り上げた世界観を邪魔しなくていい感じ。めちゃくちゃ優れているわけではないが優等生といったイメージ。

 

 

【食材、食品】Freshly / New York (US)

 

栄養バランスの良い調理済みの料理を配達するサービス。食べる量に合わせて作り無駄な食材を発生させないほか、全て回収出来る環境配慮型の梱包で配達する。低糖質や高タンパクの食事がダイエッターに大受け。

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(各項目5点満点、合計20点)

綺麗・清潔さ: 4

世界観のマッチ度: 5

デザイン性: 4

アガる度: 4

合計点:17

 

感想:外の箱は正直GoodEggsとどっこいだけど、入っている商品(料理)の箱がいいなと思う。もともとアメリカはレンジでチンするタイプのワンプレートフードが割とメジャーなのだが、いかんせん安っぽいものがおおかった。それに対してここのものは、シンプルかつ近年人気のあるフォントやデザインで料理名が記載されていて、薄型のため、冷蔵庫に一気につめこんでいても、ごちゃっとせずスマートに見える。なので、これはかなりInstagramでも投稿されまくっており、拡散力のあるデザインと思う。また環境配慮型の素材を使っているのがユーザーにとっては追加点となるだろう。

 

 

DIY、インテリア】Makerskit / Los Angeles, California (US)

ここはDIYECサイトを運営する企業。工具など一般的なグッズから、下写真のようなキットまで様々なものを取り扱っている。またサイト内で動画を配信しており、キットの組み立て方や木の切り方などが視聴できるようになっているので、つい欲しくなってしまう。

 

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(各項目5点満点、合計20点)

綺麗・清潔さ: 3

世界観のマッチ度: 5

デザイン性: 3

アガる度: 4

合計点:15

 

感想:自身の購入経験はないが、一般ユーザーのInstagram投稿写真など確認する限り箱は特に破損などなくそれなりに普通の状態で届いていそう。ただちょっと箱自体の厚みがペラいせいで、中にガラス製のものも多く入っているだけに不安なのと安っぽい感じを醸し出す。デザインは、可もなく不可もなく、普通。

キットの場合だと、中身が見える&外に完成写真のシールもあって、これから作るぞというワクワク感を作ってくれる。写真も動画やサイトの世界観と同じなので違和感なし。というわけでこの点数。

 

 

【服、ファッション】air Closet / 東京 (日本)

月額制で好きなだけファッションアイテムを借りることができるサービス。こちらも返却すると次のアイテムが届く点は同じ。いろいろなキュレーションメディアなどに登場したり、今年1月に10億円調達したことで話題になった記憶。

 

 

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(各項目5点満点、合計20点)

綺麗・清潔さ: 3

世界観のマッチ度: 3

デザイン性: 1

アガる度: 1

合計点:8

 

感想:今回の箱選手権の中で熾烈なビリ争いを繰り広げた箱の一つ。まずこの箱にビニールみたいなフィルムが貼られてて、その上に宅急便のシートがベタ貼りで届くので、箱自体に傷はないし、素材はがっちりしてそう。
ただ、そのビニールがただでさえぱっとしないダサい赤に、強烈にドンキにでも置いてそうな安っぽさというベールをもう一枚かけてくれる感じ。コンセプト自体はワクワクしたんだけど、届いた瞬間もののけ姫のことだまみたいな顔になった記憶。届く洋服自体にも思う事は色々あるけれど、とにもかくにもまったくアガらない箱。

 

 

【バッグ、ファッション】Laxus / 東京 (日本)

こちらは月額制でラグジュアリーブランドのバッグが借り放題というサービス。今借りているバッグを返すと次のバッグが借りられる。始まったばかりの頃試したが、その時は人気デザインのバッグだと何人もウェイティングしていたので、人気ありそうだなと思った。

 

 

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 (各項目5点満点、合計20点)

綺麗・清潔さ: 1

世界観のマッチ度: 2

デザイン性: 1

アガる度: 1

合計点:5

 

感想:今回のワーストがめでたく決定した瞬間。まず届いた瞬間から箱が汚い上に、ボロボロ!!!イメージとしては中国あたりから届いた海外郵便を想像してもらえれば。ちなみにこの箱を使って返却するので、家に保管しておかなくてはいけないのだが、訪れる友人全てに「あの汚い箱は必要なの?」「汚い、あれ、どうにかしろよ」と必ず不評。見るもの全てを不快にいざなう能力者。さらに箱表面にチョークみたいなものでメモがしてあるせいで、うっかり壁につけようものなら壁にべっとり汚れが…。箱に殺意覚えたのは人生ではじめてのことだった。デザインは特になにもなく、カラーの箱にロゴついているだけだが、そもそもなんで色つけたの?とは思う。無駄遣い。中を開けると保護とかはなく、ブランドの袋にぽいっとカバンが入っている。新品ならうん十万する高級バッグのはずなのに、全く気持ちは上がらない。ZARAで新しいバッグを5000円くらいで買ったほうがよっぽど気分がいいなと思う。

 

 

 

 

常々思うのが、結局、ユーザーの気持ちをもう一つ持ち上げられるところまでこだわりきれないのなら、いっその事そこで「何も感じさせないようにする」というのもひとつと思っている。

スタートアップではないけれど、ZARAの箱は驚くほどシンプルだ。

でも箱はいつも傷ひとつないし綺麗で、カバーのフィルムも安っぽすぎないちょっとくすんださらさらした手触り。

開けると薄紙でカバーされていて、その中には丁寧に畳まれて服が入っている。感動はないけれど、不満な点はひとつもないと言う感じ。

 

 

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ただ、たとえ靴1足であろうとこのサイズで送ってくるのでうっかり立て続けにパラパラ注文すると一人暮らしの家にはなかなかきついのは難点(猫と比べている方がいたが、この通り結構なサイズ)。

おそらくAmazonくらい梱包を簡便化してるんだろうなと推察。そしてAmazonで慣れているのでそこまで気になるわけではない。自分が悪いなと思うというか。

プラスにできなくても、最低限これくらい、マイナスにしないところまでは絶対にこだわるべきだろう。

 

 

 

箱のデザインは非常に興味がわくなあ。

ほかにも、ここの箱いいよ!などあればぜひご教示ください。